「西洋占星術」と言えば、私たちにとって最も身近な占術のひとつです。
現在では占いの一種ですが、17世紀頃までは天文学と表裏一体であったそうです。
それというのも、現代のように科学が発達するまで、人々は夜空に輝く星の動きを頼りに、種蒔や収穫の目安としていたからなのです。
今のように精確な時計がない時代、星の動きが時計の代わりをしてくれていたと考えると、何だか納得できてしまいます。
占星術は、いわば人々の生活の基準にもなっていたというわけです。

さらにそこから、星の動きを把握することができれば、災害、農業による収穫量の変化、飢餓や、ひいてはそれらとも関係している戦争や政治など、多くのことも予知できるのではないかと考えられたようです。
天上の星の動きを把握することで、それと関連した地上の出来事を知りたい。
そのような欲求から、占星術、ひいては天文学が生まれてきたわけです。

現在の占星術は、ある瞬間の星の配置が天地に影響を及ぼしており、そのとき生まれた人にも何らかの影響を与えているという考え方に基づいて、星の配置からその人の運命を明らかにしようとする占術のひとつです。
そのときに使われるのが、ある瞬間の星の配置図を落とし込んだ「ホロスコープ」と呼ばれるものなのです。

一般的な占星術では、生まれた瞬間に太陽がどの場所にあるかで星座を決めたホロスコープが使われています。
ですが、本来のホロスコープは、太陽だけでなく月や水星などを含めた10個の星の運行と位置を基にしています。
プロの占い師が扱う本格的な西洋占星術は、もっと高度で複雑な占いなのです。